最終更新日:2026年06月23日

システムやアプリケーションの開発では、市場環境やユーザーニーズの変化に合わせて、柔軟かつスピーディーに開発を進めることが求められています。

そのため近年では、計画通りに開発を進めるだけでなく、状況に応じて仕様や優先順位を見直しながら小刻みなサイクルを繰り返して進めるアジャイル開発が広く採用されています。

アジャイル開発の中で最も代表的な開発手法として知られる「スクラム開発」は、短期間で開発と改善を繰り返しながら、継続的に改善を行い、変化に柔軟に対応できる点が特徴です。

今回は、スクラム開発の概要やアジャイル開発との違い、メリット・デメリット、主な開発プロセスまで詳しく解説します。

 

1. スクラム開発とは?

1. スクラム開発とは?

スクラム開発とは、 アジャイル開発の考え方をもとにした開発フレームワークの一種 です。短期間の開発サイクルを繰り返しながら成果物を改善していく手法であり、変化の激しいプロジェクトや要件変更が発生しやすい開発に適しています。

スクラム開発では、開発期間を「スプリント」と呼ばれる一定期間(主に1〜4週間程度)に区切り、その期間内で設計・実装・テストなどを行います。各スプリントの終了後には成果物を確認し、利用者や関係者からのフィードバックを取り入れながら次の開発へ反映させます。

従来のウォーターフォール型開発のように、最初にすべての要件を確定させてから開発を進めるのではなく、開発途中で得られた知見や利用者の要望を柔軟に取り込みながら進められる点が大きな特徴です。

また、チーム内での情報共有やコミュニケーションを重視していることも特徴の1つです。定期的なミーティングや振り返りを通じて課題を早期に発見し、継続的な改善を行いながらプロジェクトを進めます。

スクラム開発はWebサービスやスマートフォンアプリ、業務システムなど、変化への迅速な対応が求められるさまざまな開発現場で活用されています。

アジャイル開発で活用するスプリントとは?メリットや注意点も解説

 

1-1. スクラム開発とアジャイル開発の違い

アジャイル開発とは、 短い開発サイクルを繰り返しながら、仕様変更や新たな要望に柔軟に対応していく開発の考え方や手法の総称 です。

従来のように長期間かけて一度に完成を目指すのではなく、小さな単位で開発・テスト・改善を繰り返すことで、変化の激しい市場環境や顧客ニーズへ対応しやすくなります。

一方、スクラム開発はアジャイル開発を実践するための具体的なフレームワークの1つです。

アジャイル開発が開発全体の考え方や方向性を示すものであるのに対し、スクラム開発は役割分担や進め方、会議体などを明確に定義し、アジャイル開発を効率的に実現するための具体的な仕組みを提供しています。

つまり、 アジャイル開発とスクラム開発は別々の概念ではなく、「アジャイル開発という大きな考え方の中にスクラム開発が含まれている」という関係にあります。

アジャイル開発とスクラム開発の違いは?関係性や開発の流れも解説

 

1-2. スクラムチームの構成・必要な人材

スクラム開発のチームメンバーは、全体の方向性を決定する担当者から実際に開発作業を行うエンジニアまで、多様な役割で構成されています。主な構成メンバーは、下記の通りです。

プロダクトオーナー(PO)開発する製品やサービスの価値を最大化する役割を担います。顧客や市場のニーズを踏まえながら開発の優先順位を決定し、何を開発するべきかを明確にすることが主な業務です。
スクラムマスター(SM)スクラムのルールやプロセスが適切に運用されるよう支援する役割を担います。チーム内の課題や障害を取り除き、メンバーが円滑に開発を進められる環境を整えます。
開発メンバー実際に設計・実装・テストといったシステム開発全般に携わるメンバーです。エンジニアやデザイナーなどの多職種が協力しながら作業を進めます。

スクラムチームの中核となるのは上記の3つですが、実際のプロジェクトにおいては プロダクトの利用者や出資者、社内の上司などの利害関係者(ステークホルダー)が関与することも少なくありません。

直接開発を行うわけではないものの、要件や成果物に対する意見・フィードバックを提供し、プロジェクトの方向性に影響を与える重要な存在と言えます。

 

2. スクラム開発のメリット・デメリット

2. スクラム開発のメリット・デメリット

スクラム開発は、変化の激しい開発環境に対応しやすい手法として広く採用されています。一方で、すべてのプロジェクトに適しているわけではなく、導入前にメリット・デメリットの両面を理解しておくことが重要です。

そこで次に、スクラム開発の主なメリット3つとデメリット2つを紹介します。

 

2-1. メリット(1)要件や仕様の変化に柔軟に対応できる

スクラム開発の大きなメリットは、要件や仕様の変更に柔軟に対応しやすいことです。

スクラム開発では、スプリントごとに成果物を確認しながら開発を進めます。そのため、 利用者からのフィードバックや市場環境の変化を次のスプリントへ反映しやすく、開発途中で優先順位を見直すことも可能 です。

あらかじめ決めた計画に固執することなく、状況に応じて方向性を調整できるため、顧客ニーズに合った製品を開発しやすくなります。

 

2-2. メリット(2)作業の効率化と生産性向上につながる

スクラム開発では、スプリントごとに達成すべき目標や作業内容を明確に設定します。

開発メンバーは優先順位の高いタスクから取り組むため、無駄な作業が発生しにくく、限られたリソースを効率的に活用できます。また、チーム内で役割や進捗を共有しながら進めることで、作業の重複や認識のズレも防ぎやすくなります。

結果として、 開発効率の向上や生産性の改善につながりやすい点がメリット です。

 

2-3. メリット(3)進捗や課題を可視化しやすい

スクラム開発では、デイリースクラムやスプリントレビューなどのイベントを定期的に実施します。

これらの場では進捗状況や課題をチーム全体で共有するため、現在の開発状況を把握しやすくなります。また、問題が発生した場合も早期に発見しやすく、迅速な対応につなげることが可能です。

情報共有が継続的に行われることで、 プロジェクトの透明性向上やリスク管理の強化にも役立ちます。

 

2-4. デメリット(1)プロジェクト全体のスケジュールを把握しにくい

スクラム開発の最大のデメリットは、 状況に応じて要件や仕様の見直しが行われるため、長期的な計画を立てにくい場合がある点 です。

スプリント単位では進捗を管理しやすい一方で、プロジェクト全体の完了時期や最終的な成果物の範囲が変動することも少なくありません。

そのための納期や予算が厳格に決まっているプロジェクトでは、全体スケジュールの管理に工夫が求められます。

 

2-5. デメリット(2)メンバーに高いスキルとコミュニケーション能力が求められる

スクラム開発は少人数のチームで進められることが多く、メンバー同士の密な連携が欠かせません。

各メンバーには担当業務を自律的に進める能力が求められるほか、課題や進捗を適切に共有するコミュニケーション能力も必要です。また、チーム内で問題解決を行う場面も多いため、主体的に行動できる人材が求められます。

十分なスキルや協力体制が整っていない場合は、開発効率の低下や認識のズレにつながる可能性がある点に注意が必要 です。

 

3. 【5STEP】スクラム開発の主な手順

3. 【5STEP】スクラム開発の主な手順

前述の通り、スクラム開発は短期間のスプリントを繰り返しながら開発と改善を進めていく開発手法です。最後に、スクラム開発の基本的な流れを5つのステップに分けて紹介します。

STEP(1)プロダクトバックログを作成し、開発項目を整理する
まずは、実装したい機能や改善事項などを一覧化したプロダクトバックログを作成します。優先順位を設定し、開発すべき内容を明確にします。
STEP(2)スプリントプランニングを実施し、目標や担当タスクを決定する
次に、今回のスプリントで取り組むタスクを選定します。チーム全体でスプリントの目標を共有し、担当者や作業内容を決定します。
STEP(3)デイリースクラムを実施し、進捗や課題を共有する
スプリント期間中は、短時間のミーティングを毎日実施して進捗状況や課題を共有します。問題があれば、早期に対応します。
STEP(4)スプリントレビューを実施し、成果物の確認や改善を行う
スプリント終了後は、完成した成果物を関係者へ共有します。フィードバックを収集し、改善点や追加要望を次の開発へ反映します。
STEP(5)スプリントレトロスペクティブで振り返りを実施する
最後に、チーム内でスプリント全体を振り返ります。良かった点や改善点を整理し、次回のスプリントでより効率的に開発を進められるよう改善策を検討します。

このように、スクラム開発では「計画→開発→確認→改善」のサイクルを継続的に繰り返します。各スプリントで得られた学びやフィードバックを次の開発へ反映することで、成果物の品質向上とチームの継続的な成長につなげることが可能です。

 

まとめ

スクラム開発は、短期間のスプリントを繰り返しながら開発を進めるアジャイル開発の代表的な手法です。要件や仕様の変更に柔軟に対応しやすい一方で、チーム内の連携や継続的な改善活動が重要となります。導入を検討する際は、メリット・デメリットや開発プロセスを十分に理解しておくことが大切です。

また、スクラム開発では短いサイクルで品質を維持しながら開発を進める必要があるため、テスト業務の効率化も重要なポイントとなります。「ATgo」は、ローコードでテストスクリプトを作成できる、国産のWebアプリケーションテスト自動化ツールです。品質向上や開発スピードの改善を目指したい方は、ぜひ無料トライアルからお試しください。

監修:RGS株式会社
監修
RGS株式会社 ATgoチーム

RGS株式会社は、システム開発現場で培った高い技術力と実務経験を持つ企業です。その知見を活かして開発したテスト自動化ツールATgo(特許6830701号)の提供を通して、日本のシステム開発における生産性向上と品質向上に貢献します。

コーポレートサイト:https://www.rgsis.com/
ATgo製品サイト:https://atgo.rgsis.com/
ATgo Facebook:https://www.facebook.com/ATgo.rgs/

テスト自動化ツール「ATgo」の導入事例

テスト自動化なら「ATgo」におまかせ!

Webアプリケーションのテストを効率化しませんか?
ATgoはローコードで簡単に操作できるWebアプリケーションテスト自動化ツールです。これひとつでUIテスト・APIテストの実行と比較検証を自動化。システム開発における工数削減と品質確保をサポートします。

お問い合わせ資料ダウンロードトライアル申込み

テスト自動化ツールならATgo
1か月トライアル無料:詳細はこちら

テストドキュメントに関するコラム

テスト技法に関するコラム

コラム一覧

テスト自動化ツールATgo

1か月無料ですべての機能をお試しいただけます。
お気軽にお問い合わせください。

\ATgoを無料で体験/
トライアル申込み
\3分でわかるATgo/
資料ダウンロード
\どんなことでもお気軽に!/
お問い合わせ・ご相談