7〜8人がかりのテストを1〜2名に集約。
SaaS型ERPの品質向上と工数削減を両立したテスト自動化
株式会社スマイルワークス様・導入事例


株式会社スマイルワークスは、クラウドERPシステム「SmileWorks(スマイルワークス)」を通じて中小企業の生産性向上を支援しているベンチャー企業です。クラウドERP「SmileWorks」は、統合型業務ソフトとして、販売管理・仕入管理・在庫管理、給与計算・賞与計算・年末調整、マイナンバー管理、経費精算、財務会計など、企業のバックオフィス業務全体の効率化と生産性向上を支援しています。
ATgo導入の経緯
チーム全員で毎週テスト、現場は疲弊していた
私たちは「SmileWorks」という基幹業務を効率化するSaaS型クラウドERPを提供しています。販売・会計・給与に特化しており、特に販売から会計への自動連携が強みです。この製品はOEM提供もしており、現在2,500社を超える方々にご利用いただいています。
私はサポート部門でお客様のお問い合わせ対応を主に担当していますが、あわせて開発企画を含むリリース管理も担当しています。
ATgo導入の経緯としては、大きく二つの課題がありました。一つは「週次で発生するリリース後の動作確認がマンパワーに頼っていた」こと、もう一つは「バージョンアップ時のデグレ発生が多く品質改善が急務だった」ことです。
バグ修正や法令対応のために発生する週次リリースでは、バージョンごと順繰りにテストをする必要があり、大きな負荷がかかっていました。OEM提供版もあるため、対象が多いのです。当時はその独自仕様を考慮しきれずにリリースしてしまい、特定のバージョンだけで不具合が発生するという事態も時折起こっていました。こうした点を事前に検知すべく、自動化の検討を開始しました。
OEM版は複数あり、加えてブラウザも3つほど。それらをチーム総がかりでテストしており、現場は疲弊していました。「さすがに変えないといけないね」という認識が浸透した時期でした。
ATgoを選んだ理由
重視したのは信頼性の担保
導入前の勉強会で得た感触としては、知識として理解しないといけない部分はありますが、UIが分かりやすく、ローコードでの実装が可能だと思いました。基幹業務システムという性質上、変則的な運用も多く、ノーコードでは難しいと考えていました。一方で、将来的には非エンジニアのメンバーも扱えるようにしたい。その結果、ローコードに落ち着きました。学習すれば、十分理解できるレベルだと思います。
また、変数を持たせて複数シナリオのテストが実行できる点も魅力でした。アクセスするURLや伝票に入れる金額、税区分を切り替えての繰り返し実行に活用できると考えたからです。
テスト結果をエビデンスとして自動作成してくれるかどうかもチェックポイントでした。OEM提供先のお客様からも「どのように品質を確保しているのか」を問われることが多いため、信頼性のある証明をするためにも、エビデンスをしっかり出せるかは検討のポイントになっていました。手作業だとやはり時間がかかってしまうので、自動化されるとかなり負担が軽くなりそうだと見込んでいました。
さらに、金融系/医療系システムといった、ミスが許されない業界での導入実績が安心材料になりました。我々のお客様のなかには金融機関もあり、実際に銀行の口座連携などに対応しているので、お金にまつわる機能の信頼性を担保したいという思いがありました。
最終的には、社内の品質管理委員会によるジャッジを経て、ATgoの選定に至りました。
ATgo導入の効果
不具合が激減し、より実務的なテストへ範囲拡大
導入にあたっては、自動化の経験がある開発部に協力を仰ぎ、テスト作成を依頼しました。品質向上は会社全体の課題だったので、スムーズに協力が進みました。
率直に言うと、テスト対象の画面数が多いため、作業自体は非常に大変でした。ただ、そこは優先度の高いもの、できるものから着手する方針を取りました。現在も全画面コンプリートせず、新機能や優先度の低い箇所を少しずつ整備しています。実行時間についても、画面数に比例して時間がかかりますが、いくつかのシナリオに分割して実行する工夫を取り入れています。
運用を続けた結果、2~3年前と比べて、ボタンが動かないといった単純な不具合はほぼ一掃されました。実は、導入時に重視していたエビデンス機能を現在あまり活用していません。というのも、そもそも不具合自体が減ったことで、お客様からの指摘も減り、証跡が必要な事態そのものが少なくなったためです。
また、リリースの度に実施していた同じようなテストからも解放されました。テストしている人と時間が減りましたね。かつてはサポート部門の7~8人全員がかりで行っていたのが、現在は1~2人でできるようになりました。
さらに、テストの質が少し変化してきています。以前はサポート部門として単体レベルの確認をするので手一杯でしたが、現在はより実際の運用に即したテストへ自然と移行するようになってきました。お客様が運用している上で起こり得る不具合を、未然に発見できたこともありますね。
それから、これは想定してなかった活用法なのですが、サーバー、OS、ミドルウェアの全面バージョンアップにおいてATgoを利用すると非常に便利でした。こういった基盤更新は2~3年に一度発生するので、あらかじめ作成してあったテストスクリプトをとりあえず全て実行することで、互換性チェックができて助かりました。
今後の展望
複雑なユーザー行動を踏まえた総合テストの自動化を目指して
重要なシナリオの自動化をさらに進めつつ、定型的な手動テストを最大限なくしていきたいですね。より複雑なユーザーの動きを想定した総合テストまで自動化できるよう、引き続き活用範囲を広げていく方針です。次回もAI機能のデモをお願いしているので、勉強したいと思います。
この記事は2026年3月に取材しました。




