ブラウザテストとは?チェック項目と自動化ツールについても解説
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最終更新日:2023年09月15日 / 投稿日:2023年09月15日
Webサービスを作成した際、リリース前には問題なくサービスが表示・動作するのかを確認する必要があります。また、表示のされ方や実装できる機能は各ブラウザやバージョンによっても異なるため、各ブラウザで互換性があるかどうかのテストも必要です。
当記事では、Webサービス作成後のブラウザテストについて、確認する内容や自動化の方法を詳しく解説します。ブラウザテストについて見識を深めたい方、テストの工数を減らしたい方はぜひ当記事を参考にしてください。
1.ブラウザテストとは?
ブラウザテストとは、WebサイトやWebアプリケーションなどのWebサービスが、ブラウザ上で正常に表示・機能できるかを確認するテストです。
主要ブラウザには「Google Chrome」「Microsoft Edge」「Safari」「Firefox」などがあります。ユーザーが使用するOSも、パソコンの「Windows」「macOS」や、スマートフォンの「iOS」「Android」など、デバイスごとにさまざまです。
ブラウザごとにページの表示方法や認識できる機能は異なるため、開発者は複数の環境でWebサービスが正しく動作するかを確認する必要があります。
ユーザーが利用する環境を想定して実施されるブラウザテストは、E2Eテストの一環で行われることもあります。
1-1.E2Eテストとは
E2Eテストとは、システムが正しく動作・機能するかを、ユーザーの利用を想定したシミュレーションでテストする方法です。
E2Eは「End to End」の略称で、「端から端まで」という意味がある言葉です。E2Eが持つ意味合いの通り、E2Eテストではコンポーネントやレイヤーをすべて結合した上で、ユーザーの視点に立ってシステム全体を端から端までテストします。
E2Eテストが行われる主な理由は、多様なユーザーの実行環境を想定したテストを行うことが、システムにおける問題の発見や品質向上につながるためです。
システムの開発工程で行われる各種テストは、結果が開発環境や開発者の視点に依存しやすい傾向があります。開発環境で正常な動作が確認できても、実際にシステムを利用するユーザーの環境で同様の結果が得られるとは限りません。
ユーザーの実行環境を想定して実施するE2Eテストは、システムの問題や改善点を認識するために高い重要性があります。
E2Eテストについては、下記のページでメリット・デメリットなどを詳しく解説しています。
2.ブラウザテストでチェックする項目
開発したWebサービスに対してブラウザテストを実施する際、どのような項目をテストすればよいのでしょうか。
ブラウザテストでは、大きく分けて下記の3項目をチェックします。
2-1.表示テスト
表示テストは、ブラウザ上でWebサービスが正しく表示されるかを確認するテストです。
Webサービスの正しい表示とは、具体的には「テキスト・画像が正しく表示されている」「Webサービスの機能がブラウザに正しく認識されている」ことを指します。
例を挙げると、あるブラウザでは正しく表示されている画像が、別のブラウザでは読み込みエラーで表示されない可能性があります。Webサイトの機能であれば、ページのスクロール操作に合わせて背景がアニメーションする処理が、特定のブラウザでは動作に対応しないケースがあるでしょう。
Webサービスの表示は、ユーザーエクスペリエンスやクリック率に直結する要素です。主要なブラウザ・OSで表示テストを行うことで、ユーザーの満足度向上につなげられます。
2-2.入力テスト
入力テストは、ユーザーがブラウザ上で行う「入力」を、Webサービスが正常に処理できるかを確認するテストです。Webサイトの問い合わせフォームやログインページ、データの入力画面などで入力テストを実施する必要があります。
入力テストでチェックする主な内容は、「文字入力を認識できるか」「入力内容を確認した上で処理を行えるか」の2点です。
「文字入力を認識できるか」では、ユーザーが使用する文字をブラウザ上で正しく表示するかを確認します。ただし、文字の種類には漢字・英字・ひらがな・数字など数多くの種類があるため、すべての文字が正しく表示できるか確認が必要です。正しく表示できない文字は入力できない設定にしましょう。
「入力内容を確認した上で処理を行えるか」は、入力されたデータが完全であれば処理を行い、不備がある場合は処理を行わないようにする機能の確認です。入力フォームの必須事項に空欄がある場合や、不正な文字入力があるなどの条件において、処理を行わない機能が必要となります。
また、入力後にリダイレクトでページ移動するかや、パスワードなどのセキュリティ情報を入力するページではタイムアウト設定が機能するかも確認しましょう。
2-3.互換性テスト
互換性テストは、ブラウザのバージョンが違っていても、Webサービスの表示・機能が正常に動作するかを確認するテストです。
ブラウザにはいくつかのバージョンが存在し、ユーザーによっては最新のバージョンではなく古いバージョンを使用しているケースがあります。すべてのバージョンを網羅する必要はないものの、シェア率が高い最新のバージョンと1つ前のバージョンについてはチェックをして、互換性があるかを確認しましょう。
互換性テストを行うことで、「互換性があるバージョンは何か」「互換性がないバージョンで動作しない内容は何か」をユーザーに伝えられます。
3.ブラウザテストは自動化できる?
ブラウザテストは、テスト自動化ツールを利用することで自動化が可能です。テスト自動化ツールは自動でブラウザ操作をして、テスト対象である各要素の検証を行います。
ブラウザテストの自動化ツールには、下記のような種類があります。
インストール型 |
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インストール型の自動化ツールは、パッケージ化されたサービスを社内のPCにインストールする製品です。テストに使用するブラウザがあれば、ローカルテスト環境で自動化したブラウザテストが行えます。 インストール型は買い切りの製品が多く、その場合は月額料金などのランニングコストが発生しません。 ただし、OS・ブラウザなどのテスト環境は利用者側が用意する必要があります。 |
クラウド型 |
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クラウド型は、インターネット上のクラウドサーバーに自動化ツール本体が存在し、クラウドに接続することでサービスが利用できる製品です。 クラウド型では、OS・ブラウザなどのテスト環境をクラウドサーバー側が保持しているため、利用者側はテスト環境を用意する必要がありません。 デメリットとしては、サービスの利用料金が継続的に発生するため、ランニングコストが発生する点が挙げられます。 |
また、ブラウザテストの自動化ツールにはダウンロード型もあります。
ATgoはインストール不要のダウンロード型です。そのため、制限のある環境でもセキュリティ面をクリアしながら使えます。また、素早く導入できるのも特徴です。
3-1.ブラウザテストを自動化するメリット
ブラウザテストを自動化することにより、下記のようなメリットが得られます。
・コストを削減できる
ブラウザテストを手動で行うと、労力や時間といったコストが多くかかります。自動化ツールを利用した場合は人的コストを最小限に抑えることが可能です。浮いた人的リソースを他の作業に割り当てれば、業務の効率化により時間のムダも減らせます。
・人為的ミスを防げる
手動での作業は、データの入力ミスや確認漏れといった人為的ミスの発生につながります。自動化ツールはシステムがテストを自動的に進めるため、人為的ミスを防げます。
・チームの作業負荷が軽くなる
自動化ツールの利用によってテストにかかる労力が少なく済み、チームの作業負荷が軽くなります。職場での過重労働を防ぎやすくなり、バグの修正などに当てるリソースも確保できるでしょう。
まとめ
ブラウザテストとは、Webサービスを開発・作成した後、ブラウザ上できちんと表示・機能するかを確認するテストのことで、E2Eテストの一環で行われることもあります。ブラウザテストではWebページが表示されるかだけでなく、問題なく入力できるか、複数のブラウザで互換性はあるかなどを確認します。
ブラウザテストはテスト自動化ツールを使用することで自動化ができ、テスト時に発生するミスやコストを減らせます。ブラウザテストを自動化したい場合は、インストール不要で簡単に導入できる自動化ツールATgoをぜひご検討ください。