最終更新日:2025年04月16日 / 投稿日:2022年10月25日

システムやソフトウェア開発の際は、開発するシステム・ソフトウェアに不具合がないかや問題なく動作するかをしっかり確認するためにも、必ずテストが実施されます。
システムやソフトウェア開発に関するテストにはさまざまな種類がありますが、中でも最も代表的なテストが、総合テストとも呼ばれる「システムテスト」です。システムテストは最終納品時のクオリティにかかわる重要なテストであるため、テスト計画書を用いる必要があります。
しかし、テスト計画書が一体どのようなものなのかを具体的に理解している人は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、テスト計画書の基礎知識として概要や種類、作成目的、記載内容、作成ポイントについて徹底解説します。

 

1.テスト計画書とは

テスト計画書とは、システム・ソフトウェア開発において実施されるテストの目的や方向性の他、テストの実施スケジュールから注意点までの内容をまとめた書類のことです。

テスト計画書の作成は、主にシステムの動作確認・不具合の発見を目的とした「システムテスト」「ソフトウェアテスト」で最初に行う工程となっています。なお、テスト計画書作成の前に、より方針を固めるための「テスト方針書」を作成するケースや、テスト計画書にもとづいて「テスト設計仕様書(テスト仕様書)」を作成するケースも一部存在します。

システムテストについてより詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。

システムテストとは?3つの種類から実施の流れまで

 

1-1.テスト計画書の種類

テスト計画書とひとくちに言っても、具体的には「個別テスト計画書」と「全体テスト計画書」の2種類があることが特徴です。

個別テスト計画書とは、単体テスト・結合テスト・システムテスト・受け入れテストの4つのテストレベル別にまとめたテスト計画書となっています。各テストの目的は、下記のようにそれぞれ異なります。

単体テスト機能や操作画面などの個々のプログラムにおける動作検証
結合テスト単体テストで検証したプログラムやシステムの連携時における動作検証
システムテスト実際の運用を想定したプログラム全体の動作検証
受け入れテスト要件定義書や仕様書に記載された項目を満たしているかのチェック・確認

一方で全体テスト計画書とは、個別テスト計画書における4つのテストレベルを定義し、個別テスト計画を含む全体的なテスト計画をまとめた計画書のことです。まずは全体テスト計画書を作成したのち、それをベースに個別テスト計画を検討・作成することが一般的となっています。

 

1-2.テスト計画書を作成する目的

テスト計画書を作成する主な目的は、下記の2点が挙げられます。

1. 漏れのないテストを行うため

最終納品の直前での実施が基本的なシステムテストにおいて、適切なテストが実施されなかった場合、リリース後に不具合や漏れが発生してしまう可能性が高まります。「十分なテストが実行されていない低品質なシステム・ソフトウェアだ」という評価を受けかねません。目的に応じた漏れのないテスト計画を進めるためにも、テスト計画書の作成が重要です。

2. 結合テスト

テストでの検証が不十分だと、さまざまな箇所でデグレーションが発生します。各段階で正確なテストを実施し、品質を保つことが大切です。

 

1-3.テスト自動化の考慮

テスト計画を立てる際には、テスト自動化の導入も検討することで、さらなる効率化が可能です。たとえば、繰り返し実行する回帰テストや大量のデータを扱う性能テストでは、自動化ツールを活用することでテスト工数を削減し、人的ミスを防げます。テスト自動化を導入する際には、適用範囲や使用ツール、スクリプトの管理方法を明確にし、テスト計画に反映させることが重要です。

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2. テスト計画書に記載する内容

きちんと計画やスケジュールを立ててテストを実施するため、そしてチーム内でテストの基準や目的を共有するためにも、テスト計画書にはいくつか「記載すべき項目」が存在します。主な記載内容は、下記の12項目です。

(1)テストの目的テスト対象となるプロジェクトの要件や背景を示した上で、「不具合の発見」「品質保証」といった具体的なテストの目的を記載します。
(2)テストレベルの定義テストレベルごとに求められる要求事項を定義し、どのような手法でテストを実施するか・どの機能を対象にテストを行うかなどを詳しく記載します。
(3)テストの範囲テストの対象となる項目や、ソフトウェア・ハードウェアのテスト範囲を記載します。また、テストの除外項目や制約事項も、その理由とあわせて記載することが基本です。
(4)アプローチテスト対象機能やシステム構成から、テスト実施手順・テストタイプ・テスト方法・使用ツールなどを記載します。特に、テスト自動化を導入する場合は、使用する自動化ツールやスクリプトの管理方法、適用範囲などを明確に記載することで、テストの効率化と品質向上を図ることができます。
(5)テストの終了基準どのようなテストをどういった目的で実施するかを定義し、どこまでをテストの終了基準と判断するかや合否条件などの内容を記載します。スケジュールやリソースの関係で完璧に目標を達成できないケースもあるため、あわせて許容条件も記載することが基本です。
(6)テスト環境テスト環境に必要となるサーバースペックや構成、ネットワーク情報を記載します。プロジェクトの外部システムが必要な場合などは、必要なライセンス数や利用時期も明確にする必要があります。
(7)体制・スケジュールテストを実施するチーム・組織や担当者はもちろん、外部委託業者の体制とそれぞれの役割・責任を記載します。
(8)テストのタスクテストの実施に向けた準備タスクから、実施に必要な作業・タスク・優先度を記載します。また、テストフェーズにおいて特殊な技能が求められる場合は、その技能要件の記載も必須です。
(9)リスクと対策テストの実施において発生のおそれがあるトラブルのリスクをまとめ、リスク予防策や発生時の是正策・対応策とあわせて記載します。
(10)モニタリングと管理テスト実行時は、進捗や機能単位の不具合混入率といった品質状況を随時モニタリングしなければなりません。モニタリング内容を定義した上で、進捗管理・不具合管理といった「モニタリング管理ルール」を記載します。
(11)要員計画・トレーニング計画テストの実施に必要となるスキル要件にもとづいて、要員計画を記載します。また、要員に対するトレーニングが必要な場合は、あわせて教育計画も記載することが基本です。
(12)テストの成果物テストで作成すべき資料・ドキュメント類や、作成タスクの関連性を記載します。テスト計画書も、テストの成果物リストの一部となることを覚えておきましょう。

 

 

3. テスト計画書を作成する際のポイント

テスト計画書を作成する際は、プロジェクト全体についてテスト関係者・チーム全員がしっかり把握しておくことが大切です。クライアントからの要求や考えられる課題などを十分に把握し、状況に適したテスト計画書を作成しましょう。

要求・課題・状況を理解しないままテストを進めると、テストの実施漏れが発生したり、不要なテストを実施して時間とコストを無駄にしたりしてしまう可能性があります。時間をかけて事前準備を進めることで、結果として時間とコストの削減につながると言っても過言ではありません。

また、テスト計画書を作成する際、過去の案件を参考にするケースもあります。要求・課題・状況が似ている過去の案件をベースに計画書を作成してももちろんよいですが、そのまま流用しないようにしましょう。

テスト計画書は、システム・ソフトウェアの品質を大きく左右する重要なドキュメントです。全体を俯瞰しながら、要件・方針からリスク、完了基準などを考えることで、より上質なテスト計画書を作成できるようになるでしょう。

 

4.まとめ

テスト計画書は、システム開発において実施されるテストの目的や方向性の他、テストの実施スケジュールから注意点までの内容をまとめたドキュメントです。システムテストで最初に行う工程であり、「個別テスト計画書」と「全体テスト計画書」の2種類を作成する必要があります。

テスト計画書には、あらゆる要件項目を記載しなければなりません。実施にあたり必要な情報が記載されていなければ、テストの実施漏れが起きたり、不要なテスト実施により時間やコストが無駄になったりしてしまう可能性があります。

テスト計画書を作成するときは「プロジェクトの全体像やクライアントからの要求・考えられる課題などをチーム全体で把握すること」を第一に心がけましょう。

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